たぶんしあわせ

二十歳になったので適当に書く。
1988年に生まれて経済的にいい時代があったわけではないが食糧難や戦争などを経験することなく呑気なままで成長でき、何故だかTVで流れていたサリン事件だとか少年犯罪だとかを自分の世界とは関係の無いことだと認識しながら小中を過ごせた。小5から始めたバスケットボールは中学での男子バスケットボール部のみの廃部によって早々と引退し、場当たり的に入った陸上部では練習せずに小学生以下の遊びをしていた。陸上部の後輩で何を勘違いしたのか中3のバレンタインデーに告白してきた人がいた。俺はその人が嫌いだったのでどうしてこの人が俺のことを好きになったのだろうと悲しくて残念で嬉しさは微塵も感じなかった。雑に断ってしまったことは後悔している。中2の頃に村上龍希望の国エクソダスを読みあっという間に影響された。このまま普通科目を学んだって仕方が無いだろうとあらゆる可能性を殺して漠然と電気を学ぼうと考え始めた。電気ならどこでも働けるだろうと、甘かった。無駄に英検3級を取ったりした。
高校に進学してからも異性との交流があるわけでもなく淡々とした日々。部活動はワンダーフォーゲル部に入部したが面倒臭さのあまり1年で辞めた。その後は所属するだけでよい部活に入りアルバイトも学外活動もすることなく順調に高校生活を消費した。工業高校ということもあり資格の取得だけは良く頑張ったと思うが今のところ何の役にも立っていない。講習の無かった電験3種は見事に落とした。大学には進まずに就職すると思っていたが、担任と両親と両祖父母から進学を薦められたため推薦が使える大学を受験した。もう少し賢ければもう少し難易度の高い大学を受験できたのだがこれはタイミングの問題であり何かの縁だろうと思っている。就職では電気科教員からさんざん脅された割に電気科生がすべて第一志望に受かり愉快だった。受験組も同じような状況で皆のほほんと卒業していった。
今のところ中学で村上龍を読んだ頃から何も変わっていない気がして、これから先も同じように何も起きないままで、ちょっとした変化に喜んで、周りと差を比べて勝手に落ち込んで、それでも淡い期待を持って、そんなこんなで運が悪くても30代とかになって、寂しくて、それさえも受け入れて、可能性が消えていくのを感じながらポップな終わりが来ることを願っています。
今日から成人。