金原ひとみ::AMEBIC

芥川賞を受賞したときに、村上龍が褒めていた作家。そうなると読まずにはいられなくなってしまう。特に今回の本は、村上龍のような風景描写が際立っていてたまらなかった。でも、女性特有とかいていいのかわかんないけど、村上龍にはないユーモアがあって柔らかい印象をうけた。読みやすい。内容は自己の分裂についてで、読みきったときにはこっちまでラリってる気分になった。こういうの好きだ。

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本をただせば何もない空間から1次元から9次元の世界が発生して、1次元と3次元の間のゆらぎに支えられて全てが成り立っているわけで、いったい俺はいくつに分裂して、そのうちいくつが俺なのか、5次元が直感に影響することはもうじきリサ・ランドールが証明するでしょうが、影響を与えた俺と受けた俺、どちらが今の俺なのか、どちらも俺だとしたなら、なぜ俺は5次元のことを知らないのか、俺が君に与える影響は?君が俺に与える影響は?
本をただせば何も空間から何もかもが始まってるわけで、根っこが同じなのにどうして全てを理解できないのか、そのくせ物理法則を理解しているわけで、なんで自分のこともわからないのか、自分のこともわからないのに他人を理解したつもりになるのはどうしてか。
僕らはかつて一つだった。